礼金とは

礼金とは、昔からある慣習で主に関東地方において賃貸借契約締結の際に賃借人が賃貸人に対して支払う料金のことをいいます。
礼金は、地方から関東に単身赴任したものや学生達が東京の親戚の家に下宿を行う際に大家に払った現金が由来とされており、部屋を貸してくれる大家さんに「ありがとう」という気持ちを込めて渡すものとされてきました。
つまり、昔の礼金の意味合いとしては大家が面倒を見てくれるためそのお礼のために支払ったものでした。礼金を受け取る大家は、これから家を借りる人の面倒を見るという義理の約束を交わしたことになるのです。
しかし、現代ではその意味合いや気持ちというわけではなく、慣習だけがそのまま残っている状況です。
です。礼金は関西地方における敷引きに相当するものとなっています。
現在、礼金はほとんどの賃貸契約で一般的になっており、東京23区の場合では賃料の1,2か月分の礼金が標準として設定されていますが、住宅金融公庫の融資を受けて建築された物件に関しては礼金を取ることは禁止されているため、公団地の賃貸には一切礼金が発生しない仕組みとなっています。
また、礼金自体を取らない物件も中には出てきており、礼金を取らないという他の物件との差別化を図っている場合もあります。
ちなみに、礼金はいったい誰のものとなるのでしょうか。
昔は大家さんにお礼の意味で支払っていたので大家さんのものとなっていましたが、現在では、大家さんが不動産屋に支払う紹介料に割り当てられているのが現状です。
以上の通り、礼金についてご説明しましたが、実は礼金には様々な性質があります。
関東では純粋に礼金ですが、関西での礼金は、賃貸借契約締結への謝礼、賃料の前払い、退去後の空室期間に賃料が得られないことへの補償、自然損耗に関する原状回復費用な敷引きとしての性質も持っています。